ブレーキとアクセルの踏み違え
最近、ブレーキとアクセルを踏み間違えて大きな事故になった事例をよく聞きます。例えば、AT車が地下駐車場から地上の出口に向かってスロープを上がったところ、歩行者の姿に気づき、とっさにブレーキを踏んだ・・つもりが、あわててアクセルを踏んでしまい、車が暴走した事例や立体駐車場の屋上から壁を突き破って落下し、車に乗っていた人が圧死するなど、AT車特有の事故が後を絶たないようです。そのような中で、先日、宮崎市内でもブレーキとアクセルを踏み違え、車が店に突入する事故が発生しました。
その事故は、宮崎市の中心部から北に15キロ離れた国道沿いの所にあるハンバーガーショップで起きたもので、ATのワゴン車が、店の前の身体障害者用の駐車スペースから車止めなどをなぎ倒して店の中に突っ込み、店内にいた9人がけがをしたものです。運転していた64歳の男性はその場で逮捕されましたが、警察の取調べに対し、「駐車スペースのそばの看板にぶつかり、あわててブレーキを踏んだつもりが、間違ってアクセルを踏んでしまった。」と供述しているそうです。
このようなブレーキとアクセルを踏み間違える事故は、1986年ごろ、問題になったことがあるそうです。その当時、AT車が低速走行中に急加速する事故が、日本とアメリカで続発して問題となり、当初は車の欠陥と疑われましたが、その後の調査により、この種の事故のほとんどが、ブレーキとアクセルの踏み間違いが原因で発生したことが明らかになった経緯があります。その後、国会において、AT車については、アクセルは右足、ブレーキは左足と踏み分けるという意見も出されましたが、結局、結論が出ないまま現在に至っています。
右足でブレーキとアクセルを踏み分けるという行為は、AT車もMT車も同じであるにもかかわらず、なぜかMT車ではほとんどなく、AT車だけが頻繁に踏み違え事故が発生しているようです。理屈から考えると、MT車もAT車も、同じ頻度で間違いが起こっていますが、クラッチ操作があるため、MT車の場合は事故にならないのだという説もあります。それは仮に踏み込んだままアクセルから足が離れなくなっても、左足に触れているクラッチを半分もとっさに踏み込めば、とりあえず車は減速するからという理由です。また、MT車の場合、「クラッチを踏んだらアクセルを戻す。アクセルを踏むときはクラッチを離す。ブレーキは関係なく踏む。」というようなリズムがあるので、MT車では、ブレーキとアクセルの踏み間違いがないのだということです。
指定自動車学校においては、このようなブレーキとアクセルの踏み間違い事故を防ぐため、第1段階の項目22の「段差路での発進と急発進時の措置のしかた」で、段差路を使い、ブレーキとアクセルを踏み間違って急発進しても、あわてず確実にとめられるよう練習をしていますが、最も大事なことは、「あわてない」ということのようです。また、当校のベテラン指導のアドバイスによりますと、この種の事故を防ぐためには、AT車では、ブレーキとアクセルを踏み分ける場合、右足のかかとを確実に上げて操作することが大切だということです。普段から右足のかかとをつけたまま、アクセルとブレーキを踏み分ける操作をしていると、とっさの場合、ペタルを踏み間違えるそうですから、くれぐれも気をつけましょう。






